2019年11月6日水曜日

ペレット燃料のよくある誤解

【ホワイトペレットと全木ペレット、どちらがいいか?】


お客様とペレット燃料の話しをしている中で多いと感じるのが、ホワイトペレットの方が品質が上と思っている方が非常に多いという事です。

確かにネット上の情報では、ホワイトペレットが品質が良くて、全木ペレットが品質が下と書かれている場合が多いのですが、現在の日本のペレット事情はそうではありません。

実は、品質の良い全木ペレットは品質の悪いホワイトペレットよりも良く燃えるというのはペレットストーブ業界では常識。
それはいったいどういった事なのか?今回は解説いたします。💨

ペレット燃料についての別のブログはこちらから



【欧州のペレット事情】


欧州では、ペレット燃料のしっかりとした品質基準があります。
ペレットストーブに使える高品質なペレットと、ペレットボイラーなどに使う比較的の低レベルのペレットです。
(私はまだ確認していませんが、欧州のペレットボイラー用ペレットは日本最高レベルのペレットよりも上との評価があります。)


【日本のペレット事情】


では、我が国日本ではどうかというと、ペレットの品質規格そのものは有るのですが、多くのペレット工場ではその認証を取得していないが実情。

というのも、認証を取る費用が掛かるということと、均一化した品質のものをつくるという2点が難しくしているのです。


一つ目の認証を取るという点では、日本のペレット燃料の生産・出荷数量が欧州程多くなく、どちらかというと大きい工場よりも小さい工場が乱立していて、結果一工場当たりの生産数量は少なくなり、結果認証を取るという所までとても予算が回せないのです。


二つ目の品質の均一化という点ですが、これも工場の生産規模という点に関わってくるのですが、需要が少なければそれなりの生産規模になる訳です。
生産規模が小さくなれば当然それに投資できる予算も小さくなり、生産する設備も高性能な設備は導入できないとなり、結果的に品質のバラつきが生じでしまう訳です。


そういった日本特有の事情もあり、ストーブ製造業者側はきれいに燃焼しないのはペレット燃料の問題、ペレット燃料製造者側はストーブの問題、と堂々巡りを続けているのです。


【どの様なペレットがいいのか?】


今回の題に戻すとこうなる訳です。
『生産規模が小さくキチンと品質管理がされていない工場で生産された全木ペレットは、ある程度の生産規模があり、キチンと品質管理がされている工場で生産されたホワイトペレットの方が品質がよい』となるのです。

もちろん、全国のペレット工場を見て回った訳では無いので、生産規模が小さくても品質管理が徹底されている工場もあるかと思いますが、一般的には少量生産より大量生産できる工場の方が設備や品質管理の面で有利になるのです。


【今後のペレット方向性】


では、今後どのような展開をすることでペレット燃料の品質のバラつきが抑制し、均一化されるのかという事ですが、

①エネルギーを所管する経済産業省が、国産国消できるペレットストーブ・ペレット燃料は冬季の主要暖房の一つと認定して、普及を全国的に推進する。

②製材所をある程度集約化することで、製材時に発生するペレットの原料である【おが屑】の集約化も出来ます。それによる今よりも大量生産が出来るようになる訳です。
(法的に一定の製材量からペレット生産をしないといけないという法規制も必要かと・・・)


【まとめ】


薪ストーブは近隣への排煙の問題や薪の確保という点がネックとなり、趣味の世界から脱することが出来ずに普及が進まない現実があります。

ペレット燃料の場合は品質の均一化という問題を早めに解消していかないと、普及が遅れるという事態になりかねないのではないかと危惧するここ最近でした。



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