70年代のニューヨークを表現する音楽はと聞かれれば
即答で、ビリージョエルと答える。
ビリージョエルの音楽にはクリントイーストウッドが映像で活躍していた70年代の殺伐としたニューヨークが詰まっている感じがするんですよね。
そんな殺伐とした大都会の中にも、生きることに必死ななにも、血の通った人間同士のふれあいというか、70年代だけではなく、60年代や50年代を引きずった移民の都市ニューヨークが上手く表現されていると思うんですよね。(何とも表現しずらいですけど)
ピアノマンから始まって、刹那的な楽曲がいかにも50年代60年代の繁栄から80年代に向かって落ちぶれていくアメリカのニューヨークを体現した音楽なんですよね。(もちろん個人的な感想という事でお願いします)
では、80年代のニューヨークを表現する音楽と聞かれれば
洋楽ではなく佐野元春と答えます。
デビューからの活躍から一転、ニューヨークに渡りVISITORSアルバムを作った元春。
それまでの都会的な歌詞やニューミュージックと言われたジャンルから一気に羽ばたいた感があるアルバムで、伊藤銀二氏も仰っていますが彼のベストアルバムであるのです。
80年代になっても、日本経済にガタガタにされたアメリカですが、世界から才能が集まる街ニューヨークの底力は失っていませんでした。
これらの才能は低迷する経済をよそに、新しい音楽を作り出すことに一切の疑念はない時代だったのです。
今聴いても全く古さの無いリズム隊、アレンジ、元春の楽曲含め全てが完璧。
これからそれぞれの街を表現する音楽が出てくるのかと考えると、情報が瞬時に行きかい、それぞれの街が没個性化してしまった現代においては厳しい気がするんです。
このVISITORS以降のアルバムは買っていません。
なぜならこのVISITORSで元春の才能が出きった感があったからです。
アーティストの想像力の旬は長くはない。
ぜひ一度このアルバムを聞いてみてください。いや買って損のないアルバムです。
ビリージョエルと共に。
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