12年前の当店オープン前、事業計画などを作って希望に燃えていた頃は、5年後はこれ位・・・、10年後はこれ位・・・なんて販売計画を立てていましたが、10年経過してとそうは問屋が卸さね~と簡単ではない現実が分かってくるのです。
何といっても今の日本の家では、家に中で火を焚くという文化が失われているというのが大きな理由の気がします。
オール電化が始まって20年前後。
台所で火を使う事さえも無くなってしまっては、暖房で火を焚くという発想そのものもないのは必然。
よって、暖房で火を焚くという行為を簡単に受け入れる土壌がある訳ない。
オール電化が普及する以前にも、囲炉裏、かまど、火鉢、七輪の文化から急速にガスや灯油の文化に置き換わってきたわけです。
となると、自らマッチやライターで火を起こし、育て、暖を取るという行為が全くの異文化に感じてしまうのはこれも必然。
欧州では、この文化の変遷がゆっくりとした流れであったために、暖炉文化から薪ストーブ・ペレットストーブ文化へ移行してきたのかもしれません。
また、フランス革命から始まった”続いてきたものを守る”という保守思想や古いモノも悪くないという考え方が根付いていたのも理由かもしれません。
それに引き換え日本では敗戦後の戦前否定から始まり、古いものや日本文化そのものを否定する風潮が今でも蔓延しています。
薪割りや薪の調達をすべて自分ですることは難儀な事かも知れませんが、ペレットの投入や灰掃除程度も”面倒臭い”という考え方をする人がごく少数でもいる現状では、火を焚く生活が非日常であり、火を焚くことが文化になっていないと考えざるを得ません。
ですので、この商売はストーブを売るということが本質でなく、ストーブ文化を普及させるという観点で取り組まないと中々厳しいと感じるこの頃。
20年30年前に駅前に多数あった携帯電話の格安販売店も今では見かけなくなりました。
短期を利益を出し売り抜けて、ハイさよなら👍という商売でないのは明らか。
という事で、今後も当店の動向を見守りくださいませ。
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