2018年7月13日金曜日

ペレットストーブの燃料の現状。

良質なペレットが無い?

日本国内では良質な木質ペレットと言われている『ピュア1号』(上伊那森林組合産)が製造されている長野県にいると他県のペレット事情に疎くなってしまいがちで、他県でも普通に良質なペレットが流通していると思っていました。

しかし、先日東北のある販売店さんから連絡があり「ペレットストーブを一日焚いているとクリンカが発生してしまうが、そんなもんですか?そちらではどこのペレットを使用していますか?」という内容でした。
※クリンカとは燃焼ポットの中にできる硬質な灰の事です。

「ストーブとペレット燃料の相性もありますが、1日でクリンカが出来ることはまず無いですよ~」
「1週間くらいは全く問題無いです。」とお答えしたところ大変びっくりされていました。

色々とお話を伺っていると、東北地方では『ピュア1号』程の良質なペレット燃料が流通してなく、また有ったとしても大変高い金額で販売されているということが判明したのです。


現状ペレットストーブ本体とペレット燃料の相性もあります。
色々なペレットストーブとペレット燃料を焚いてきた中で言えるのはストーブ本体と燃料の相性があるという事。
相性というのはクリンカが発生しやすかったり、ガラスがすぐに曇ってしまったりです。

上記で「日本国内では良質な木質ペレットと言われている」と表現したのは、日本では最高級品のピュア1号でも、実は欧州規格では規格外の品質だからです。
ですので、欧州では規格外のペレットであるピュア1号を燃やせるストーブと燃やせないストーブがあるのです。


国産ペレットの品質で悩んでいる国産メーカー

欧州でペレットストーブで使用するペレット燃料の規格はただ一つ。
ですので、この品質のペレットが上手く燃焼するようなストーブを開発すればいいのです。

ですが、国産メーカーは国内で発売されているバラバラな品質のペレットを上手く燃焼させるにはどうすべきか?という課題のもとペレットストーブを開発しないといけないのです。(こりゃ~大変よ~)

自動車であればハイオクとレギュラーガソリンの2種類だけに対し、ペレットは各地域地域で何十種類とある燃料を想定して開発をしているのです。
それだけ、国産メーカーは欧州メーカーに比べコストがかかっているという事でもあります。


結局どっちが悪いの?という話になってしまう。
ペレットストーブメーカーは1日1回の点検をお願いしておりますが、毎日クリンカを取るという作業は結構大変です。
そして、クリンカが1日で発生してしまうストーブと発生しないストーブがあるという事はユーザー様としては「結局ストーブと燃料どちらが悪いの?」という話になってしまいます。

ペレット燃料メーカーも環境や里山の為と思って善意で作り始めたものの、燃料の質が悪いと言われるのも酷な話ですし、ストーブメーカー側としてはもっと良い燃料じゃないと燃焼しないよ~言いたくなり、本来は協業していかないといけない立場にも関わらず、ペレットストーブ黎明期の様な負のスパイラルに陥ってしまうのです。 :evil:


ストーブでは品質の良い燃料を使ってください。

ペレットの使い道として
◆ペレットストーブ
◆ペレットボイラー
◆猫砂(笑)
の用途があります。
ペレットストーブはボイラーの様に大量に燃焼させる訳ではなく、また猫砂として廃棄する訳ではないので、少々お高くても品質の良い燃料を使用していただきたいと思います。

そうすることで、良いペレット燃料を作っているメーカーが潤い、より良質なペレットを作るようになるでしょう。


そうだ欧州規格ペレットを燃焼させよう。

という事で、4月に茨城県の販売店Kさんから頂いた欧州規格のペレットをそろそろ燃焼させてみようかなと思い始めた次第です。
とにかくすごい!ピュア1号とも全く違うという評価のペレットです。
結果報告は後日となりますがお楽しみに!

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